SF作家の津久井五月とSynfluxによるデザインフィクション『撤退線』に登場するキャラクター「ケモノ」が着用する、想像上の衣服を実際に製作したアイテムです。AIが生成した架空の動物画像が織り込まれたジャガードテキスタイルで仕立てられた、デニムセットアップとなります。同時に販売された仮想世界のアバターが着用するものと同じデザインでありながら、物理世界の私たちが身につけられるようにディテールの調整がなされています。

アバターが着用するスキンは、未来のホモ・サピエンスを思索する末に考案されたキャラクター「ケモノ」が、自然環境との関係性に折り合いをつけるために行う儀式の際に着用する衣服として制作されました。ケモノは、天然情報のネットワークである菌糸の森にスキンを介して接続し、環境とのコミュニケーションを行うという設定になっています。

デザインフィクションの世界観を表現するため、梱包方法も作品の一部となっております。本作でお届けする衣服を包む巨大な石彫は、美術作家である広瀬里美による彫刻です。強固な一枚岩の巨石から、様々な道具を駆使して中身を掘り込むことで制作されました。自然の力と経年によって形作られた天然物である石を、丹念な手作業によって幾何学的に切り取ることで生まれた力強い作品となっております。石肌はケモノたちの住むような山間を彷彿とさせ、その中央部にスリットが入ることにより山自体が目、或いは陰部を持ち、内部に衣服を内包することで、物語の設定をより強調しています。

本製品は、2021年に21_21 DESIGN SIGHTで開催された「2121年 Futures In-Sight」展において展示された作品であるため、若干のダメージついてはご理解の上、購入をお願いいたします。

作品の世界観を体験いただける特殊な梱包でのお届けになるため、送料を別途申し受けます。なお、美術品配送となるため、お届け先によっては配送料が高額となる可能性がございます。事前のお見積りを推奨しています。ご希望の方は、コンタクトよりご連絡ください。梱包作品は60x60x30cm、重量150kgとなります。搬入経路、設置場所を予めご確認ください。